食物経口負荷試験について
食物経口負荷試験は医療機関で、アレルギーとわかっている食品やアレルギーが疑われる食品を摂取して症状がでるかどうかを確認する検査です。
目的
1 確定診断
出現した症状が明らかな症状ではない場合や、まだ食べたことがなく血液検査で抗体価が高い場合など、アレルギーが疑われた場合に実際に食べてみて症状が出るかを確認します。最も確実な診断法になります。
2 安全摂取量の確認
すでにアレルギーとわかっている食品でも少量なら食べられることもあり、安全に食べられる量を判断するために行います。負荷試験で安全に食べられる量が確認できたら、自宅で定期的に食べていただきます。
3 耐性獲得の確認
過去にアレルギー症状がでた食品で、日常的に食べる量が食べられるようになったかどうかを確認します。
アレルギーかどうかを知ることや、アレルギーが出る食品でも安全に食べられる量を知って、食べ続けることはとても大切です。食物経口負荷試験の結果によって、自宅で何をどれくらい食べていくのかを詳しく説明いたします。
実際の食物経口負荷試験の流れ
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アレルギー外来を受診
過去の症状や血液検査などから食物経口負荷試験が必要と判断した場合は、負荷試験を行うことを提案いたします。お子様やご家族さまのご希望を確認して同意をいただければ負荷試験の日程や食品の種類・量・方法(1回または60分間隔で2回にわけて摂取など)を決めます。
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食物経口負荷試験当日
食べる前に診察を行い、当日の体調に問題がないか確認します。
体調に問題がなければ事前に設定した食品を摂取します。
最終摂取から約2時間程度クリニック内で症状の観察を行います。
負荷試験の結果によって自宅での摂取方法を説明し、次の受診の日程を相談して帰宅していただきます。
症状が出た場合は症状に応じて治療を行い、症状が治まってから帰宅していただきます。
帰宅後も症状がでないか観察していただきます。 -
定期のアレルギー外来受診
負荷試験後の自宅での摂取状況や誘発症状がなかったかなどの確認を行います。
状況に応じて次の負荷試験の日程や受診日を決めます。
注意点
- 当クリニックでは食物経口負荷試験の手引きに準じて安全を第一に考えて実施します。
- 過去にアナフィラキシーを起こしたことがある方や血液検査などから重症の症状が出現することが予測される方など、入院施設のある病院での食物経口負荷試験が望ましいと判断される場合は、入院施設のある病院へ紹介させていただきます。
- 当クリニックでは16歳未満の患者様に実施します。
- 発熱や強い咳、ぜん鳴、嘔吐など、体調が悪いときは実施できません。
- 負荷食品は自宅からお持ちいただいております。
食物経口負荷試験をご希望の場合は一度アレルギー外来を受診してください。